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地元学からの出発-この土地を生きた人びとの声に耳を傾ける- ~農文協創立70周年記念出版「シリーズ 地域の再生」(全21巻)第1巻~

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年11月30日

地元学からの出発-この土地を生きた人びとの声に耳を傾ける-
~農文協創立70周年記念出版「シリーズ 地域の再生」(全21巻)第1巻~

結城登美雄 著
農文協・刊 定価2730円
電話 0120-582-346

 結城氏は、この15年、東北を中心に全国600のむら(集落)を歩き、「鳴子の米プロジェクト」(宮城県大崎市)や「食の文化祭」(山形県真室川町)など、「ないものねだりではなくあるもの探し」による地元学(じもとがく)で各地の地域づくりを支え、励まし続けてきた人物である。その結城氏が、本書で「よい地域」の条件として、以下の7つを挙げる。

①よい仕事の場がある②よい居住環境がある③よい文化がある④よい学びの場がある⑤よい仲間がいる⑥よい自然風土がある、そして、⑦よい行政があること、
である。

①の「よい仕事」とは、企業誘致などの外部の力によって得られるものではない。また月数十万円も得られなくともよい。その一例として著者が挙げるのは、この不況の10数年にあって、いまや全国1万3000カ所に開設され、約1兆円を売り上げるようになった農産物直売所。農村に生きる人びとは、自ら月々3万~5万円になる「よい仕事の場」を地域につくり上げてきた。「あるもの探し」における最大の「あるもの」とは、すなわちそこに暮らす住民自身の力。著者は言う。「『地元学』とは村人の力、地域の力を地域再生の最大の礎にするためになされるものだと信じたい」と。