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農村政策の変貌 その軌跡と新たな構想

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年7月7日

小田切徳美・著

農文協・刊 2,640円(税込)

農村政策の変貌 その軌跡と新たな構想 表紙写真

 いま「新しい農村政策」が動き出している。本年6月には農林水産省の「新しい農村政策の在り方に関する検討会」と「長期的な土地利用の在り方に関する検討会」が連名で「中間とりまとめ」を公表した。「しごとづくり」、「くらし」、「活力づくり」などを柱とし、「地域政策の総合化を推進する」としている。これらのテーマはいずれも筆者が、長年主張・提言してきたものばかりである。本書は、2000年以降20年間にわたり筆者が発表してきた論稿をまとめたものである。
 まずは、章立てに注目したい。第1部・農村問題の理論と政策、第2部・農村の変貌、第3部・中山間地域等直接支払制度の形成・展開・変遷、第4部・農村政策の模索と展開、第5部・地方創生下の農村。農村問題とは何か、基礎として押さえておくべき知識から最新の動向まで、章を追いながら通読することによって、主要な論点がカバーできる。前半は、農村問題が政策としてどのように扱われてきたのか、「全総時代」から「田園回帰」まで、その歴史的な位置づけと変遷の経過を明らかにする。とりわけ、平成後期以降の農林水産省の農村政策と他省庁の取組との関係を論じる部分は、最近の地域政策の見取り図として、また、「新しい農村政策」が今後どのように発展していくのかを展望する上で、重要な視点を提供してくれる。中山間地域等直接支払制度についても厚みのある解説が続く。集落と地域の裁量を重視した同制度の革新性に改めて目を向けさせてくれる。後半は農村政策の大きな流れと、個々の施策・取組を解説する。「小さな拠点」、「過疎法」、「ふるさと納税」、「地方創生」、「関係人口」、「田園回帰」、そして「ポストコロナ」など、近年のないしは今後の地域づくりの重要ワードがずらりと並ぶ。このように本書は、農村政策解説の決定版となっている。最後に、「はしがき」から引用したい―「農村は最後ではなく、基盤にある」。この言葉を念頭に置きながら、多くの人に手に取って読み進めて頂きたい。