大江正章 著
コモンズ 定価1,700円(税別)
私たちはコロナ時代を生きるにあたって、これまでとはちがう思考や感性が必要とされることが、本書から伝わってくる。
これからは、過度な都市化を見直し、地域重視と食料自給へ向かわざるを得ないと指摘。それは、地域づくりで言えば、地球環境の時代に即して持続可能な農業に切り替えていくということである。
著者は有機農業の現場に足繁く通い、農業者や自治体職員と対話を重ねるとともに、そこから今何が求められているかを見極め、地域づくりや流通、農の価値や哲学などの提言を行ってきた。
本書は、安全な食料を生産し、SDGsと生物多様性を実現し、いのちを大切にする社会を創ることで地域を元気にする持続可能な農業について詳述されている。
各地の事例が具体的に紹介され、意欲的生産者・農政関係者・普及指導員、そして新たに有機農業を志す人たちへのわかりやすい必読書でもある。