イギリス生まれのブックスタートは、2000年の「子ども読書年」を機に日本に紹介され、2001年から自治体の事業として本格導入されました。現在では全国の1059自治体(普及率61%)※1に広がり、対象となった赤ちゃんは、2001年からの累計で730万人を超えています。※2
少子化や核家族化が進み、児童虐待などの問題が深刻化する中、本事業は、保護者の育児を地域ぐるみで応援する取り組みとして注目されてきました。行政職員や市民ボランティアが協力しながら、地域の未来を担う赤ちゃんの育ちを見守り続けています。このコロナ禍においても、細心の配慮と工夫を重ねながら実施方法が模索されています。
※1 2020年7月末現在(NPOブックスタート調べ/全国の市区町村数は1741)
※2 厚生労働省人口動態及びブックスタート実施状況(NPOブックスタート調べ)をもとに算出
【自治体における取り組み例】
社会福祉協議会が事務局を担っています。事業の財源は、赤い羽根共同募金です。自分の募金が身近なところで活かされていることが理解され、「うちの孫が世話になったから」など、募金を通して地域の子育てを応援してくれる住民が増えました。親子にも村の人たちの思いを伝えています。
保護者やボランティアにアンケートを実施したところ、回答者全員が事業の継続を支持。それをふまえ、予算を増額し、絵本とともに育児に役立つ保護者向けの書籍をプレゼントするなど、事業をさらに充実させています。
健診の再開に伴い、感染症対策を徹底しつつ、ブックスタートでの読みきかせを再開しました。ソーシャルディスタンスを保つため、いつもより親子と離れて読みきかせをしていますが、こうした状況でも赤ちゃんは思いのほか絵本をよく見てくれました。いつもに増して、保護者にも喜んでもらえたように感じています。
◇ブックスタートとは
ブックスタートは、0歳児健診などの機会に「絵本」と読みきかせの「体験」をセットでプレゼントする活動です。抱っこのぬくもりの中で絵本を読んでもらう心地よさや嬉しさを「すべての赤ちゃん」に届けます。
赤ちゃんの幸せを願い、行政と市民が連携して行う自治体の事業です。
↓動画 2分でわかるブックスタート
◇NPOブックスタートについて
NPOブックスタートは、日本のブックスタートの推進組織です。活動の理念を伝え、実施に関する資料の発行やブックスタート・パックの提供事業を通じて、各自治体の活動をサポートしています。
◇NPOブックスタートのウェブサイト