2669号(2009年2月16日) 町長 青木 國太郎
平井川
日の出町は、東京都心から西へ約50kmに位置し、東西12km、南北2.5km、総面積28.08平方km、世帯数6,547世帯、人口16,019名(平成20年12月1日現在)、総面積の70%以上を山林に覆われている自然豊かな町です。
西部にある山間部は、西端に町名の由来となった日の出山がそびえ、生涯青春の湯つるつる温泉や、昭和58年11月11日に日米首脳会談が行われた日の出山荘等の観光施設があります。また広域行政の一環として、多摩地域25市1町の住民が出すごみを埋立てる二ツ塚廃棄物広域処分場や焼却残さをリサイクルするためのエコセメント化施設も受け入れております。
東部の平野部では、圏央道日の出ICを中心に三吉野工業団地、イオンモール日の出ショッピングセンターや新興住宅地等が立ち並び、活力ある町づくりが推進されています。
日の出山の朝日
当町は、21世紀を展望して夢とロマン豊かな「ひので新時代・3万人の自立都市・単独日の出市」の実現を目ざし、これまで公共下水道を全国の町村でいち早く完備し、道路や老人福祉センターなどのハード面もほぼ整備し、子育て支援や高齢者支援バスなどの福祉対策も他の自治体に率先して実施してきました。
現在は、これらの実績を踏まえて、「躍進 ひので!ニュー五大作戦」を町政の柱に掲げ、教育と福祉、商工観光業と農林業のより一層の振興等を図ることとしております。
子供たちの健やかな成長を願って施策を展開
わが国は出生率の低下と人口の減少が懸念されているところですが、少子化の進行に歯止めをかけるため、平成17年6月、日の出町発の少子化対策、次世代育成プログラムを作成しました。
次世代を担う子どもたちが安全で、健やかに成長することを願い、将来、当町発展の原動力となることを期待して、子育て環境の整備と出生率向上を図ることを目的に、次の3つの施策を実施しています。①次世代育成クーポンを創設し、所得制限無しで15歳までの子ども一人に、月1万円のクーポン券を交付②15歳までの幼児・児童医療費を無料化③子育てのための次世代育成住宅を提供しています。この他、母親が安心して出産を迎えられるよう、出産時に一人5万円を交付し出産費の無料化を図っています。さらに、保育所の一時保育・緊急保育の整備や児童・生徒に防犯用ブザーを貸与するなど、新たな事業も実施しています。
高齢者のための施策は、国、東京都と町がそれぞれの役割分担に応じて、さらに充実して実施していくべきです。政府は、昨年7月29日、①高齢者政策②医療政策>③子育て支援など5項目からなる社会保障の緊急対策「5つの安心プラン」を発表しましたが、これら制度面の整備は国や都に任せ、当町では、お年寄りの方々の生活に即し、真に効果が実感できる施策を実施していくべきであると考えます。そのために昨年9月15日の日の出町敬老福祉大会で、「日の出町発!長寿化対策~日本一お年寄りにやさしい町づくり」を推進することを宣言し、平成21年4月から全国の市区町村に先駆けて、①75歳以上の方が負担する医療費について個人負担分の全額を町が負担②75歳になられる方が人間ドックを受診する場合、受診料の全額を町が負担③健康教室を開催するとともに、お年寄り向けの各種スポーツを支援するなど、健康管理や健康増進を図ることとしました。
日本一お年寄りにやさしい町を目指して
これは、お年寄りの方々がお元気で生活し、地域等で活動されること、そのための健康管理・健康増進を行うことが基本で、そのうえで医療機関にかかられた場合は、医療費の自己負担分を町が負担するものです。
現在、健康づくりについては、町内2箇所の老人福祉センターで毎月1回「健康教育事業」を行っています。
保健師を中心にスタッフ数名が老人福祉センターに出向き、「ストレッチ運動・健康情報の提供や健康教育としての講座の開催」などを行い、高齢者に対し健康づくりを支援しています。
また、町内で人口の集中している地域の老人福祉センターを利用して、毎月2回「介護予防教室」も開催しています。内容をより長寿者向きに充実させて、「声だし・手遊び・歌」などを取り入れて実施しています。
各自治会では、保健センターの支援のもとに、それぞれの地域のコミュニティセンターで健康づくり推進員が開催している健康教室にも、高齢者の参加できる喜界があります。
さらに、町の社会福祉協議会が所管する老人クラブ連合会では、毎月2回、エアロビクスを取り入れた健康体操教室及び年3回の高齢者向け料理教室の開催など、町全体で各施設を利用した、様々な健康づくりで高齢者の健康支援を行っています。
今後とも、高齢者の健康管理・健康増進を図るため、これらに加え、新たな事業を実施していきます。
塩田堤の桜に集う
当町は、平成16年6月に「日の出町こんにちは安全・安心まちづくり条例」を制定し、日ごろのあいさつを通じて、犯罪や事件・事故のない、安全で安心して暮らすことんの出来る町づくりを推進しています。
「世界一治安が良い」とされていた我が国ですが、今や連日のように凶悪犯罪や悲惨な交通事故のニュースが報道され、高齢者を脅かす振り込め詐欺や悪質商法などが社会問題となるなど、治安の回復は最重要課題となっています。
当町では、「町民の安全・安心は最大のテーマ・最大の福祉」と位置付け、平成19年6月、全町民を対象として「ひのでA(安全)・A(安心)大作戦推進大会」を機に、町民の安全・安心の対策をさらに充実することとしました。
具体的な取り組みとしては、町職員による「安全安心パトロール隊」を発足させ、町内パトロール活動を行っているほか、「ひので安全・安心メール」を配信し、周辺地域の事件自己発生状況や防犯防災情報などの提供を行うとともに、防災行政無線や町広報誌、ホームページ、自治会回覧などの各種媒体を活用し、町民の安全・安心に役立つ情報を提供しています。また、各自治会などでも積極的に安全・安心パトロール活動を実施し、町民の安全確保に寄与しています。
地域の暖かな目に見守られ、笑顔で元気に登校する子どもたち、その笑顔がもっと輝く、日本一安全で安心な町を実現するため、これからも積極的に取り組んでいきます。
秩父多摩甲斐国立公園の玄関口を西に登ると、日の出山があります。東京の中でもご来光を拝む山では有数の山であり、360度パノラマ展望の良さは近郊随一、その名のとおり、一度は登りたくなる山です。一時雑踏から離れ、山頂で眺望した人が、天下を取ったような気分にもなったとか。一汗かいた後は、生涯青春の湯つるつる温泉でひと風呂浴びて、帰りには全国で唯一の機関車バスで、清流平井川を眺めながら駅まで旅気分が味わえます。
鳳凰の舞
当町には歴史的な建物が残っています。日の出山荘・日米首脳会談記念館は、当時の中曽根康弘総理大臣と、アメリカ合衆国ロナルド・レーガン大統領との日米首脳会談、いわゆるロン・ヤス会談が行われた場所であり、日本のキャンプ・デービッドとも呼ばれています。青雲堂・天心亭は当時のまま保存され、園内には四季折々の草木が映え、葉月(8月)には、竹灯篭の夕べとして1,500個の灯篭が園内に幻想的な光の世界を醸し出し、琴の音色に一夜の風情を楽しむことができます。
新年の平井川で行われるどんどん焼き、秋川不動産の火渡り。春には、塩田堤の桜まつり、都の天然記念物樹齢400年以上の大久野フジまつり。夏には、1,500発の花火の競演ふるさとふれあい夏まつり、3,000株のひまわりまつり。秋には、国の重要無形民俗文化財の鳳凰の舞、いも掘りまつりや産業まつり。冬には、秋川街道を20,000個で飾るファンタジーイルミネーションなど、魅力たっぷりの日の出町にぜひお越し下さい。