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香川県まんのう町/元気まんまんまんのう町 改革・協働・輝きの町

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年11月1日
満濃池の写真

国内最大級のため池「満濃池」
毎年6月、田植えの到来を告げる「ゆる抜き」には、多くの観光客が訪れます。


香川県まんのう町

2738号(2010年11月1日)  総務課長 齋部 正典


まんのう町は、平成18年3月20日、琴南町・満濃町・仲南町の3町の合併により誕生した香川県の南西部、讃岐山脈の北側ふもとに広がる緑豊かな町です。讃岐山脈の主峰・竜王山や大川山周辺は香川県で初めての県立自然公園に指定され、ふもとを流れる1級河川土器川や町内に点在する無数のため池とともに四季折々に美しい風景を織り成しています。四国三県および中国地方とのアクセスにも恵まれている上に、「満濃池」や「野口ダム」、温泉、キャンプ場やレクリエーション施設など多彩な観光資源に恵まれ、一年を通じて多くの来訪者を集めています。

自然と人々が輝くまち

まんのう町のすべての住民が元気まんまんで活躍し、輝くことによって活発な情報発信が生まれ、人・もの・文化の交流を招き、さらに住民が輝くという、プラスの連鎖が生まれるまちづくりを推進しています。

安心と安全・快適なまち

成熟時代の魅力的なまちづくりのための生活基盤の整備をはじめ、すべての住民が住み慣れた地域で安心して暮らせる地域づくりを目指し、保健・医療・福祉の充実に努めています。

活力創造と改革のまち

住民と行政が協力し、共に汗を流す協働のまちづくりを進めるとともに、魅力的な生活や産業のまちづくりに向けて、住民主体の地域クラブ活動やボランティア活動、産業活動を支援しています。

日本最大の悠久のため池「満濃池」

満濃池は、貯水量が1,540万立法mと規模が大きいことと、弘法大師(空海)が修築した、ゆかりの池ということで、全国に知られています。まんのう町では、この満濃池を観光の中心とし、弘法大師が中国から持ち帰り、この地に植えたとしている「かりん」を町のシンボルとし、「かりんの里づくり」として地域振興に取り組んでいます。

中でも自然環境の保全や周遊遊歩道の整備、池を展望しながら食事の出来るかりん亭、人づくり交流のかりん会館、下流には、初夏に蛍が乱舞するほたる見公園など、訪れた方が滞在できる観光地づくりを行ってきました。平成22年3月28日には、NPO法人「さぬき夢桜の会」の尽力で、満濃池周辺にさまざまな桜一千本植樹が5年越しで達成され、春には来訪者の目を楽しませています。さらに昨年からは、まんのうツーリズム協会を設立し、新たな観光資源の発掘、情報の発信、体験観光などに力をいれています。

まんのう町には、満濃池を中心として「国営讃岐まんのう公園」や「町立かりんの丘公園」、「県立満濃池森林公園」があります。国営讃岐まんのう公園は、「人間との語らい、自然、宇宙とのふれあい」を基本テーマに四国で初めての国営公園として平成10年4月にその一部が開園しました。その後、北口園路、自然生態園、満濃池展望遊歩道、湖畔の森、健康ゾーンの一部と開園区域を広げ、現在は、中央広場ゾーン、宿泊ゾーンを中心とする157.7ヘクタールとなっています。今後は、広域観光ネットワークの中核をなすとともに、四国における文化、スポーツ・レクリエーションの一大拠点となるべく整備を進めています。

かりんの丘公園は、平成21 年5月に完成した子どもからお年寄りまで多目的に楽しめる総合施設です。大型複合遊具を中心にさまざまな遊具を整備し、近くで保護者の方がくつろげる東屋や休憩施設も併設しています。その他少年野球場、ゲートボール場、芝生広場、少年サッカーも行える多目的グラウンドや四国でも数少ない子供から大人まで楽しめる本格的な自転車トライアルとオートバイトライアルのモーターサイクルスポーツエリアを整備しています。

県立満濃池森林公園は、自然を感じながら散策できる遊歩道やみどりの広場、野鳥観察小屋、森林学習展示館などが整備されています。昭和63年5月に全国植樹祭で、皇太子殿下、皇太子妃殿下がお手植えされたヒノキ、クロガネモチの記念樹が芝生広場に植えられており、四季折々、年間を通じて自然に親しめます。

町立かりんの丘公園の写真

町立かりんの丘公園

かりんの丘開園バイク演技の写真

かりんの丘開園バイク演技

平賀源内ゆかりの美霞洞温泉

美霞洞温泉は「大滝大川県立自然公園」の中にあり、美しい三霞洞渓谷をはじめ、大川山・大川キャンプ場・土器川源流など見どころがいっぱいです。疲れた肌にやさしい白湯はアルカリ性低張性冷鉱泉、神経痛・冷え性・慢性皮膚炎・慢性婦人病・痔病などに効能があるとされています。かつて平賀源内は江戸・湯島で開かれた薬品会に美霞洞温泉の水を出品し、やけど薬として珍重していると紹介したといわれています。

道の駅の交流拠点エピアみかど

平成11年、美霞洞温泉の近くに近代的な「エピアみかど」がオープンしました。国道438号沿いの香川県と徳島県の境に位置する「道の駅ことなみ」の施設で、歴史ある名湯「美霞洞の湯」からひいた天然温泉、水面に浮かぶ幻想的な石の能舞台、地元の新鮮素材をふんだんに使った料理が楽しめるレストラン、カルチャールームなどさまざまな設備が整っています。「エピア」とはエンジョイ(Enjoy)・ピープル(People)・アセンブル(Assemble)の頭文字をとった造語で、多くの人が集まり楽しむ場所という意味が込められており、旅の疲れを癒してくれるだけでなく、地域の新たな交流拠点として幅広く活用されています。

鎌倉時代に発見された塩入温泉

塩入温泉は鎌倉時代に高野山の道範阿闍梨が尾瀬山で修行をしている途中に、この地に立ち寄って見つけたと伝えられています。

昭和59年、町の活性化を図る目的で温泉調査を行ったところ、冷泉を発見したことから、旧仲南町では温泉を通じて四季折々の変化に富んだ美しい景観の中でふるさとの味を満喫し、より一層の健康増進が図れるようにと「塩入温泉」を整備しました。

エピアみかどの写真

エピアみかど

塩入温泉の写真

塩入温泉

高齢者に人気の「あいあいタクシー」

役場本庁の周辺には、若い世代が多いものの、山間地域では、過疎化が急速に進み、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯がどんどん増えています。そのような高齢者が日常生活で困ることは、やはり病院や買い物などの移動をどうするかということです。

現在は、高齢者の約3割は自家用車を持ち、病院や買い物などの移動に利用していますが、運転ができなくなった場合の対応策が必要です。運転免許の返納を推進するためにも、財政負担がより少なく、高齢者にとって使い勝手のよい新しい公共交通システムの構築が強く望まれるようになりました。

そこで、町は、平成20 年3月に、まんのう町地域公共交通協議会を設立し、1年間で6回の協議を重ね、「まんのう町地域公共交通総合連携計画」をまとめました。協議会の中での議論や住民アンケートを通じて、確認したことは次のとおりです。

  1. 町内を走る路線バス2路線は、小中学生、高校生の通学のため何としても現時点のサービス水準を確保したい。
  2. 通勤者のほとんどが自家用車の利用なので、今後はパークアンドライドを進める。また、琴電の羽間駅と榎井駅の中間に新駅を設置し、駐車場を整備することを検討していく。
  3. 高齢者層の外出先は、主に通院と買い物が占めており、高齢者の約3割は家族の送迎に頼っている。公共交通を利用せず家族の送迎に頼る要因は、バス停までが遠く歩けないこと、路線バスの運賃が高いこと、また、便数が少なく不便であることなどである。したがって、特に高齢者が利用しやすい便利で小回りの利く新しい公共交通システムが早急に必要である。

これらを基に新しい公共交通システムとしてドアTOドアの「デマンド乗合タクシー」の実証運行と「共通パス券の発行」を決定しました。

デマンド乗合タクシーは町内のタクシー事業者3社に協力を依頼し、各社ジャンボタクシーを1台づつ平日のみ運行しています。エリアは旧町別に3地区に区切り、その範囲内を1台づつが巡回運行します。タクシーは、住民から愛され、たくさんの出逢いをもたらしてくれるようにと、「あいあいタクシー」と命名され、山あいの道を毎日送迎に活躍しています。

また、月額3千円の共通パス券を購入すると「あいあいタクシー」も路線バスも1か月間何回でも乗ることができます。少しでもバスの利用客を増やし、住民からの「空気を運ぶバス」との批判への解消に期待しています。

実証運行開始から11か月が経ち、10月現在の1日の利用者は57人となり、当初の目標42人を大幅に上回りました。年間目標の1万人も10月25日に達成することができました。

経費は予約受け付けシステム構築費用を除き、維持費としてジャンボタクシーの借り上げ料、オペレーター2名の人件費、システムの保守料、通信費などで約2,100万円程度必要ですが、国土交通省の地域公共交通活性化・再生総合事業を活用しています。国の補助を受けられる3年間の実証運行が終わった後、運賃収入以外の財源をどう確保するのか知恵を出して、高齢者の日常生活を支え続けられる仕組みづくりが今後の大きな課題です。

デマンドタクシーの写真

ドアTOドアの「デマンドタクシー」

あいあいタクシーの写真

「あいあいタクシー」と命名され、山あいの道を毎日運行しています。

告知放送録音風景の写真

告知放送録音風景

音声告知器の写真

音声告知器

町内を光ファイバーで結ぶ~情報基盤整備事業~

情報基盤整備事業は、ブロードバンドゼロ地域の解消、テレビ共同受信設備の地上デジタルテレビ放送への対応、既存の行政放送設備及びイントラネットシステムの老朽化や合併により発生した地域間格差などの問題を解決するために実施しました。事業では、総務省の「地域情報通信基盤整備推進交付金」を活用し、町全域に総延長約470キロメートルに及ぶ光ファイバー網を敷設して、行政、学校、公民館等の施設をネットワークで結び、各住民宅に光ファイバーを引き込みました。これにより町全域での地上デジタル放送の視聴と、100Mbpsの超高速インターネットやⅠP電話の通信サービスが利用できる環境が整備されました。また併せて、旧町間の老朽化していた防災行政無線とオフトーク通信で構成されていた行政放送設備を一新する事業に取り組みました。この設備は、停電時でも放送を聞くことができ、行政情報、地域情報、火災情報等に加え、全国瞬時警報システム(J-ALERT)からの緊急地震速報など国民保護に関する情報を住民宅に伝達できるものとしました。火災等の緊急放送は、行政放送告知施設を利用し消防署より直接行い、同時にサイレンも光ファイバー網を活用して吹鳴しています。

サービスの提供は、継続的な運営や維持管理を考慮し、民間のケーブルテレビ事業者にIRU契約(長期的継続契約)により施設を貸し付けて、その貸付料で保守費用を賄う「公設民営方式」を選択しました。 総事業費約18憶円により完成したこの施設は、平成22年9月1日現在の住民基本台帳約7,100世帯に対して、約6,800箇所、約95%の世帯などで活用されています。 

今後は、福祉サービス分野での利用などの利活用の検討を進めていくつもりです。