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2.町村財政基盤の強化

印刷用ページを表示する 掲載日:2002年11月27日

町村は、自主税源が乏しい中、地方分権の進展を踏まえ、介護保険の実施など少子・高齢社会への対応、社会福祉施設等の充実、相対的に立ち遅れている生活関連施設の整備、資源循環型社会の構築等の環境施策の推進、厳しい条件下の農林水産業の振興等、自主的・主体的な地域づくりのため、各般の政策課題を着実に推進する大きな役割が求められている。
よって、国は町村財政基盤を強化するため、次の事項を実現されたい。

1.地方分権の一層の推進に向けて、地方税・地方交付税等の地方一般財源を確保するなど的確な措置を講じること。

2.地方交付税制度の充実強化
(1)町村が安定した財政運営ができるよう、地方交付税所要額を確保すること。
また、地方交付税は地方固有の財源であるので、その制度のあり方について検討する場合は、町村の意見を十分踏まえること。
特に、スケールメリットが働きにくい町村の行財政運営に支障をきたすことのないよう配意すること。
(2)税源偏在という現実を踏まえ、地方交付税のもつ財政調整機能及び財源保障機能を絶対堅持すること。
また、町村が人口割合に比べて広い面積を有し、国土保全等に重要な役割を果たしていることを考慮し、人口を中心とした配分基準を是正すること。
(3)留保財源率の見直しについては、課税客体に乏しくかつ人口の少ない町村の実情を十分考慮すること。
(4)地方交付税が地方の固有財源であることを明確にするためにも、国の一般会計を経由せず、交付税特別会計に直接繰り入れること。
(5)町村の公債費負担が増嵩していることに鑑み、元利償還金に対する地方交付税算入率の引き上げ及び対象事業の拡大をはかること。

3.低水準にある町村の重点的、計画的な社会資本整備のための公共投資については、国庫補助事業及び地方単独事業にかかる地方負担所要財源を十分確保すること。

4.町村税源の充実強化
(1)地方税は、地方分権を実質的に担保する、地方自治の基礎を支えるものであり、地方の歳出規模と地方税収入の大幅な乖離を縮小するためにも、所得税から住民税への税源移譲や地方消費税の拡充などにより、租税総額に占める地方税のウエイトを高め、町村税源の充実強化をはかること。
また、いわゆる環境税制を導入する際には、環境対策にかかる町村の財政負担を勘案し、地方税とすること。
(2)個人住民税は、町村における、負担分任を基調とした基幹的な税目であるので、安定的にその充実がはかられるよう措置すること。
(3)個人住民税の均等割については、過大な負担とならないように配慮しつつ、税率を引き上げること。
また、人口段階別の税率区分を見直すこと。
なお、生計同一の妻に対する非課税措置について、見直しをはかること。
(4)個人住民税の株式譲渡益課税については、申告分離課税への一本化を既定方針どおりに実施すること。
(5)固定資産税は、収入の普遍性・安定性に富む、町村財政における基幹税目であることから、平成15年度の評価替えに伴う税負担の調整措置については、その安定的確保がはかられるよう、特段の配慮を行うこと。
(6)地方法人課税に関しては、町村にとって重要な税源であるので、法人住民税総額についてこれを確保すること。
また、分割法人の法人住民税について、課税標準にかかる分割基準に事務所又は事業所の固定資産を加える等の措置により、配分割合の適正化をはかること。
なお、法人事業税への外形標準課税の導入について、都道府県財政の安定化は町村財政にとっても極めて重要であるので、その導入をはかること。
(7)道路特定財源については、遅れている町村道の整備を促進するため、所要財源の確保をはかること。
(8)ゴルフ場利用税は、その10分の7が関係市町村に交付されており、特に山林原野の多い町村の貴重な財源として、地域振興をはかる上で重要な役割を果たしているため、本税の存続、確保をはかること。
(9)特別土地保有税は、土地の有効利用の促進をはかるとともに、土地の投機的取得を抑制することを目的とした税であり、町村の土地政策にも適合した税制となっているため、本税の堅持をはかること。
(10)租税負担の公平を期する見地から非課税等特別措置については、さらに整理合理化をはかること。
特に、固定資産税等の非課税措置、課税標準の特例措置の整理合理化を行うこと。
また、国の租税特別措置等については、地方への支障を来すことのないよう、必要な措置を講じること。
(11)軽自動車税の各標準税率を引き上げること。
また、軽自動車税のうち原動機付自転車については、課税のあり方等について実態に見合った見直しを行うこと。
(12)入湯税の税率を引き上げること。
(13)個人都道府県民税にかかる徴収取扱費交付金の増額をはかること。
(14)地方税法改正については、年度末専決を行わなくてもよいよう、同法の早期成立をはかること。

5.地方債の充実改善
(1)町村が生活関連社会資本整備等を推進するため、地方債資金の所要総額を確保するとともに、良質な公的資金を安定的に確保すること。
また、町村が公営企業の経営を行う上で長期低利の資金が不可欠であるので、これに必要な資金の調達・供給を行う機関である公営企業金融公庫の仕組みを堅持すること。
(2)過疎地域の自立促進のための各種施策を推進するため、過疎債の所要額を確保すること。
また、辺地債の所要額を確保すること。
(3)高利の公的資金にかかる地方債について、繰り上げ償還についてさらに改善をはかるなど適切な負担軽減措置を講じること。
(4)道路改良事業の弾力的運用をはかることとし、町村道整備にかかる起債対象範囲を拡大すること。

6.第3セクター等の経営の状況に鑑み、今後の社会経済情勢の変化に対応したあり方についての指針を踏まえ、運営改善のための所要の措置を講じること。

7.過疎地域、辺地、山村、豪雪地帯、半島地域、離島などの町村及び人口急増町村等に対し、地域の実情に即した財政措置を講じるよう、特に配慮すること。