宣   言

 停滞を続ける経済、未曾有の財政危機、混迷を続ける国際社会、我が国を取り巻く国内外の情勢は、いま、国民の心情に暗い影を落としている。
 過疎化・少子高齢化の一層の進行や地方分権の進展、加速する自治体再編の動きは、現下の厳しい財政事情と相まって、今後の町村自治のあり方を根底から問う段階に至っている。
 戦後の再出発から半世紀余りが経過したいま、過去の歪みをただす「構造改革」は、21世紀を希望の世紀とし、わが国が再び活力を取り戻すためにも避けて通ることのできない課題である。
 このような状況の中、わが国の農山村地域には、山間部や離島、大都市の隣接部に至るまで、2,552の町村が存在し、食料の供給、水資源の涵養、自然環境の保全など重要な役割を果たしている。
 我々町村の果たす公益的な役割に鑑みるとき、都市と地方を対立の構図で捉えることなく、互いに補完し、共生する関係を保ちつつ、対流を一層推進することが重要である。
 直面する危機を好機と捉え、真の「改革」と「再生」に向けた努力が、いま求められている。
 我々町村長は、直面する困難な課題に積極果敢に取り組み、自らを律し、地域に暮らす住民と次代を担う子や孫たちが、夢を語ることのできる希望に満ちた地域づくりに邁進することを、ここに宣言する。



  平成13年11月28日


  全国町村長大会


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