宣   言

 21世紀を迎え、新しい世紀に踏み出した現在、我が国は未曾有の危機に直面している。
 長らく停滞を続ける経済、それに伴う厳しい雇用環境や日々の暮らし、様々な犯罪の横行など混迷した社会の姿が人々の心に暗い影を落としている。
 地方を取り巻く環境もかつてない厳しく大きな波にさらされている。
 このような状況の中、我々町村はわずか2割の人口で7割の国土を支え続けている。
 「地域間競争」や「自立」の名のもとに、地方を規模の大小や経済効率の優劣といった市場原理に委ねることは、行政水準の後退のみならず農林水産業や地場産業を衰退させ、過疎と疲弊を助長し、自然に恵まれ人間らしい生活空間や歴史と伝統に育まれた豊かな文化を保つかけがえのない地域そのものの消滅につながりかねない。
 我々町村の果たす公益的な役割に鑑みるとき、都市と地方を対立で捉えることなく、互いに補完し共生する関係を保ちながら、狭隘な国土の上に1億2千万余の国民が暮らしている現実を再認識すべきである。
この構造改革を、21世紀を明るい希望の世紀とし次代を担う世代への大切な足掛かりとするため、我々は改革の意義を共有し共に手を携え、たゆまざる努力を継続しなければならない。
 我々町村長は真の改革に向けた自らの変革を厭うことなく、住民が誇りと愛着を持つ活力ある地域社会の実現のため、全力を尽くすことをここに誓う。

 以上宣言する。

  平成13年7月5日


   町村自治確立全国大会


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