39.水源地域対策の強化

 

ダム等が所在する水源地域の町村は、過疎化・高齢化等厳しい条件の下で、治水・利水、国民生活の安定、産業の発展等水の確保及び自然環境の保全等、公益的な役割を担っており、関係町村の振興をはかるため各種施策を推進する必要がある。

よって、国は次の事項を実現されたい。

1.水源地域対策の強化

(1)水源地域対策特別措置法による指定ダムの全てに第9条の特例を適用するとともに、ダム建設による水没者の生活再建について、起業者の責任を明確化するなど、同法の改善をはかること。

また、同法成立前の既設ダム所在地域に対し、同法の準用措置を設けること。

(2)水資源開発公団が所有するダムの用に供する家屋及び償却資産に課する固定資産税にかかる現行課税標準額の特例措置を廃止すること。 

(3)国有資産等所在市町村交付金の対象ダムの範囲を拡大するとともに、現行の算定標準額の特例措置を廃止すること。

(4)水源地域町村に対する財政措置を充実すること。

(5)水源地域対策基金の運営に対する国の税財政上の援助措置を強化するとともに、基金設立の全国的な展開を促進すること。

(6)安定的な維持用水の放流計画を確立するとともに、環境保全及び防災に関する施策等の拡充をはかること。 

(7)水源地域の活性化をはかるとともに、地域間交流支援事業等による上下流連携を推進すること。

2.水資源開発の推進

(1)ウォータープラン21を踏まえるとともに、水行政における国・地方を通ずる体制の整備をはかること。

(2)ダム所在町村に新たな利水需要が生じた場合、ダム使用権又は水利権を優先的に取得できるよう、所要の制度を確立すること。

(3)水質管理体制の充実強化及び下水道整備の促進をはかること。

(4)地下水の人工涵養及び地盤沈下防止のための事業を、国の直轄事業として制度化すること。

(5)水源複層林の整備及び水源林特別対策の拡充をはかるとともに、放置山林の対策を強化すること。