38.観光地所在町村の振興

 

観光地所在町村は、環境衛生施設、消防力の整備など、観光行政にかかわる特別な施策と財政負担を余儀なくされている。

よって、国は次の事項を実現されたい。

1.税財源の充実・強化

(1)ゴルフ場利用税は、ゴルフ場が地方公共団体の行政サービスと密接な関連を有し、また、所在することにより様々な財政需要が生じていることから、都道府県税として収入し、そのうち7割が市町村に交付されているものであることから、都道府県分のみの撤廃はあり得ず、結果として市町村交付金の一部削減とならざるを得ない。また、税収に対する交付税の割合が高い市町村にとっては極めて重要な財源となっていることから、本税の存続・堅持を図ること。

(2)入湯税の税率を引き上げること。

(3)観光客によって消防、清掃等に多額の経費が必要になっていることを考慮して、関係町村の実情に即した財政措置を講じること。

2.観光基盤施設の整備

(1)観光地所在町村における下水道施設および廃棄物処理施設の整備を推進するため、財政措置を充実すること。

(2)観光客等の円滑な交通を確保するため、道路をはじめとした高速交通網等、観光地へのアクセスの整備を推進すること。

(3)観光・レクリエーション活動が豊かで恵まれた自然の中で手軽にできるよう、観光基盤施設を着実に整備することとし、財政措置を充実すること。

(4)自然公園等の施設整備について長期的計画を樹立し、その整備を推進すること。

(5)空きカン、空きビンの散乱防止を含むごみの減量化と再生利用をはかるリサイクルシステムの運用にあたっては、観光地所在町村が積極的に取り組めるよう配慮するとともに、新たな財政負担について必要な措置を講じること。

(6)観光情報基盤の高度化、利活用の容易化をはかるため、観光情報のデジタルデータベース化等により、観光情報基盤の整備を推進すること。

3.宿泊施設の大規模化や高層化等にかんがみ、はしご車、化学車を増強するなど、消防力の強化をはかること。

また、阪神・淡路大震災等の教訓を踏まえ、耐震性の強化、防災基盤の整備等、安全対策を強力に推進すること。

4.ウェルカムプラン(訪日観光交流倍増計画)等の外国人観光客誘致対策については、特に地方観光圏対策を推進し、観光地所在町村の国際化と活性化をはかること。

5.中小零細企業が大半を占める観光産業の振興及びサービス向上を図るため、緊急に外客訪日促進及び受入体制の整備を図ることとし、大規模な海外観光宣伝、外客案内設備の整備及び良質なパート労働者の養成事業を行うこと。