
大分県日出町。県都大分市から約25キロメートル、大分空港から27キロメートルの距離にあり、国東半島の入り口に位置している。 東西19.2キロメートル、南北9.2キロメートル、面積73.23平方キロメートルのこの町は、南は波静かで風光明媚な別府湾に面し、 町内には4つのJR駅、高速高規格道路に3カ所から乗り入れでき るなど、交通の要衝となっている。
城下かれい
平成17年国勢調査人口は、27、640人、平成12年調査に比べ1、498人(5・7%)増加し、県内でも数少ない人口増加の町となっていてる。
また、自然環境にも恵まれ、豊 富で良質な真清水が町内各所で湧 き、この真清水は日出沖の別府湾 の海中でも湧いている。ここで育 つマコガレイが、今や全国に知られるようになった『城下かれい』 である。
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全国で市町村合併の議論が行わ れていく中で日出町も平成13年6月、隣接する杵築市、山香町(現 杵築市)と1市2町で合併研究協議会を設置。以降、大田村(現杵 築市)を加え1市2町1村で合併に向けての協議を進め、15年1月には法定協議会の設置となった。
しかし、新市の名称、事務所の 位置についての協議が難航。16年7月に調印にこぎつけたものの、 その後、日出町議会で合併関連議案はすべて否決され、町長が辞任する事態となった。
町長選挙には、新人3人が立候 補。日出町独自のまちづくりを唱 えた現工藤義見町長が平成16年9 月に誕生した。この選挙結果を受 け、日出町は法定合併協議会から 離脱。日出町は合併せず独自のま ちづくりを行うことへと路線を変 更した。
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合併協議を進める中でも、危機的財政状況を立て直すべく、平成 15年12月に「緊急行財政改革本部」を設置し、行財政改革に取り組ん でいた。
日出町の財政力指数は、13年度で0.516(県内町村平均0.207)、 14年度で0.515(同0.213)、経常収支比率は13年度88.1(同89.2)、 14年度91.5(同93.2)であり、この状況にも まして、生活基盤整備を先行して きたことによる起債の償還、基金 の減少が当町の財政を困窮させ、 景気の低迷、地方交付税の減少が 財政危機に拍車をかけていた。
この時点で行財政改革プランの 策定に着手したが、合併協議の混 迷の中で、足踏み状態となった。
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独自のまちづくりを選択し、合併とは違う形で生まれ変わりを迫 られた日出町。
平成16年11月1日に「行財政改革推進室」を設置し、財政危機を 乗り切るために行財政改革プラン策定を再スタートさせた。この時 点で「中期財政計画」を基に「中期的な財政収支の試算」を行った ところ、これまでと同様の財政運営を続ければ平成20年度には、16億7、700万円の赤字で、財政再建団体となる見込みとなった。
今回の行財政改革プランは、前年12月の「緊急行財政改革本部」 での検討内容を基にし、「日出町行財政改革推進本部」に改め、「幹事会」を置き、さらに専門的に協議、調整を行う4部会からなる「専門部会」で具体的改革事項の検 討に入った。
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このプランの策定にあたっての基本的な考え方は、@徹底した内 部管理経費の抑制 Aサービスコストの最適化 B公共サービスの提供の見直し、住民との協働のまちづくり C町民負担の公平の4項目とした。
改革項目は、
○人件費などの抑制常勤の特別職の給与15?20%カット、一般職員の給与5%カッ ト、早期退職の促進、職員の新規採用の一時停止、職員定数10%の削減(平成16年4月1日現在236人を21年4月1日時点で212人に)、各種委員等報酬の見直し、また、議会においても議員定数22人を16人に削減、報酬5%カットの方針が出された。
○補助費等・扶助費の見直し
○事務事業の重点配分
○外部委託の推進
○外郭団体等に対する町の関与の
在り方の見直し
○普通建設事業の見直し
○特別会計繰出金の抑制
○公債費の長期的な抑制
○使用料、手数料の適正化
○町税等の徴収率の向上
○町有財産の売却、有効活用
とした。
16年11月から策定作業を行ってきたこの改革プランの内容は 17年2月に町内各地区で町民の意見を聞き、また学識経験者などからな る推進委員会に諮り、3月にまとめ公表した。
また、このプランについては、より実効性の高いものとするため、 半年に一回その達成度の検証を行う。目標が達成できなかった項目 に関しては、原因を探り新たな行動計画を作成することにした。
当初この改革プランでの再建期 間は、17年度から20年度までとしていたが、新地方改革指針が総務 省から通知され、その体系に沿った形で21度までと1年延長。
「集中改革プラン」として 18年3月に再策定している。
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平成17年4月のプラン実行開始から1年が経過した検証結果は、 プラン内容を5、000万円上回る効果があり、平成17年度当初予 算では、1億4、300万円の基金取り崩しを計上していたが、取 り崩すことなく8、000万円が積み立てられ、一定の成果を挙げ たといえる。平成17年度の財政力指数は0.569、経常収支比率 は88.21となった。
しかしながら、新たな行政需要の発生や地方交付 税の縮減は、策定時の予想を上 回っており、決して安心できる状 況にはない。より踏み込んだ歳出 の抑制や新たな歳入確保策の検討 が必要となっている。
18年7月、日出町の新たな総合 計画がまとまり町議会で議決され た。まちの将来像を「人と自然が 調和したふれあいと活力あるま ち」とした。もちろん、この総合 計画は行財政改革と整合性のとれ たものとなっている。
予算を削っていくだけでは、今 後、「活力あるまち」は望めない。明るい展望の持てる町を合言葉 に、緊縮財政の中にも重点項目を 定め、総合計画に沿ったまちづく りを展開し、前例踏襲を廃し、新 たな考えを積極的に取り入れてい く必要がある。
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本町の行財政改革を進める上で の基本的な考え方のひとつに「住 民との協働のまちづくり」がある。 これまでも住民の関心は高く、さ まざまな場面で、心強い力添えが あったが、このころから、それま でにも増して、住民の間に自主的 に町の状況を改善しなければとい う機運が高まり、自分たちででき るものは、自分たちの力でという 取り組みが活発になってきた。
?谷城趾
NPO法人が盛んに設立され、 町民向けのパソコン講座の開講、 まちづくり事業、町の行うイベン トにも積極的な協力を得ている。
また、地域の安全を守る地域住 民による防犯パトロールも町内全 域に広がっている。この成果は顕 著に数字に現れ、日出警察署管内 の平成18年1月から5月の刑法犯 認知件数は前年同時期に比べマイ ナス35・4%と犯罪の減少に確か な実績を残している。
地域の公民館を開放し、放課後 の子どもたちを受け入れる活動や 町の人々を集め娯楽を提供してい こうとするなどのボランティア活 動が活発に行われている。
17年度から町内にある一部の都 市公園における維持管理を業者で はなく地元に委託した。子どもか らお年寄りまでが、地域に親しみ を感じ草取り作業などに汗を流し ている。作業を行うことでコ ミュニケーションが図れるとの声も聞く。
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地域再生計画として、地域活性 化の新たな方策をまとめ、7月3 日内閣府地域再生計画の認定を受 けた。その内容は「次世代育成の まちづくり」、子育て応援に住基 カードを活用した地域通貨を導入 する。
活力あるまちづくりのひとつの 方向性として、子どもたちが健や かに育ち、地域全体で子どもたち を育て、成長を見守る。このこと が延いては、高齢者の生きがい形 成につながり、強いコミュニ ティーを築いていけると考え、こ のための潤滑油として、地域通貨 を導入していこうとしている。
実証実験開始を12月に控え、よりよい制度とするため、現在、議 論が続いている。
総務課広報広聴係 主査 高橋 康治
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