全国町村会

「国と地方の協議の場」に荒木全国町村会長が出席(10/26)

 「国と地方の協議の場」(平成29年度第2回)が、10月26日、首相官邸で開かれ、本会の荒木会長(熊本県嘉島町長)はじめ、地方六団体代表が出席しました。政府側は、安倍内閣総理大臣、麻生副総理・財務大臣、菅内閣官房長官(国と地方の協議の場議長)、野田総務大臣、梶山内閣府特命担当大臣(地方創生)、茂木内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、加藤厚生労働大臣などが出席、平成30年度概算要求等と地方創生及び地方分権改革の推進について協議しました。

 はじめの議題である「平成30年度の概算要求等」において荒木会長は、大規模災害等の復旧・復興について、熊本地震における国の迅速な対応と手厚い支援に感謝の意を表したうえで、今年も集中豪雨により九州北部を中心に甚大な被害があったことから、東日本大震災や熊本地震と合わせて被災町村が一日も早い復旧・復興を果たしていくための万全の財政措置と全国的な防災・減災対策の強化を要請しました。

 次に地方公共団体の基金について、「各町村が厳しい財政事情の中で歳出抑制に努めながら積み立てを行っているものであり、基金の増加をもって地方財政に余裕があるとは言えない」と強調。地方交付税等の一般財源総額に関しては、「地方交付税は町村にとって命綱であるため、是非ともその総額の確保をお願いしたい」と訴えました。

 森林環境税に関しては、「全国の町村が国民共有のかけがえのない財産である森林を守ることにより、国土保全、地球温暖化の防止、水資源の涵養など、国民一人一人が恩恵を受けている」としたうえで、町村が森林吸収源対策や山村対策に主体的に取り組めるよう、来年度における森林環境税の実現を要請しました。

 最後に国民健康保険、介護保険について、「保険者機能の強化に向け、インセンティブ機能を付与する方向が示されているが、国保の普通調整交付金及び介護の調整交付金が担う自治体間の所得調整機能は極めて重要なものである」と述べ、その機能の堅持と介護における新たな交付金の財源に調整交付金を活用しないことを求めました。

 これに対し、野田総務大臣は地方の一般財源総額について、「平成30年度概算要求では地方交付税0.4兆円減、臨時財政対策債0.5兆円増という厳しい状況の中で年末の地方財政対策に向けて、一般財源総額をしっかり確保していきたい。特に地方交付税をできるかぎり確保するよう最大限の努力をする」と述べました。

 次に地方公共団体の基金に関して、「地域の実情を踏まえて歳出抑制努力を行い、将来に備えて積み立てているものであり、基金残高が増加していることのみをもって地方財政に余裕があるという議論は妥当でない」としたうえで、各地方団体においては、議会や住民に対して説明を引き続き行うよう求めました。

 森林環境税については、「地方の長年にわたる創設に向けての要望を受け、平成29年度与党税制改正大綱において、創設に向けて検討し、平成30年度税制改正で結論を得るとされたことから、総務省でも検討会を設置し議論を進めている。今後も地方の意見をしっかり踏まえ、丁寧に検討していく」と応じました。

 また、加藤厚生労働大臣は、「国保、介護の調整交付金については、保険者間の所得水準の差を調整するための重要な機能を担っており、この認識の上に、骨太方針2017を踏まえ、自治体関係者と十分協議していきたい」と述べました。

 

 この後、次の議題である「地方創生及び地方分権改革の推進」に移り、梶山内閣府特命担当大臣の資料説明に続いて、各団体代表が意見陳述を行いました。

 荒木会長は、農林水産業、農山漁村の再生に向けた取組の強化について、「農林水産業を取り巻く内外の情勢が厳しさを増す中、農林水産政策が国家戦力上、大変重要である」としたうえで、農林水産業・地域の活力創造プランに掲げる施策を産業政策と地域政策のバランスに十分配慮し着実に実施するとともに、TPP、日欧EPA協定に関して、影響を受ける農林漁業者が将来にわたり希望をもって生産活動が続けられるよう、万全の対策を要請しました。

 また、近年、若者や女性の田園回帰が年々活発になっていることに触れ、「地方創生の実現にとって、都市と農山漁村の共生が重要になっており、田園回帰の流れを一層推進する必要がある」と強調。そのため、移住・定住だけでなく、農山漁村地域に多様なかかわりを持つ人々、いわゆる「関係人口」の拡大に向けた取組への支援を要請しました。

 地方大学の振興では、「地方大学・地域産業創生交付金」の創設を要望するとともに、地方大学には地域に役立つ研究事例があることから、これを地域に還元することや、地方の国立大学が保有する資産を大学と地域が連携し、地域で有効活用することを求めました。

 最後に「町村の現場では、日々懸命に地域の活性化に取り組んでいる。国においては地方創生の実現に向け、いままで以上に力を入れていただきたい」と訴えました。

▲協議の場に出席した荒木会長(左)

地方六団体の意見、要望に対し、梶山内閣府特命担当大臣は、地方創生に資する大学改革について、「地方大学を振興するため、@「地方大学・地域産業創生交付金」120億円の創設、A東京の大学の定員抑制、B地方における若者の雇用機会の創出−を地方の意見を踏まえ、総合的に推進していきたい」と応じました。
 

 最後に安倍内閣総理大臣が挨拶に立ち、「総選挙ではアベノミクス改革の矢をさらに勢いづけ、少子高齢化の中で国民生活を豊かにするための生産性革命と人づくり革命の断行を訴え、ご支援をいただいた。この2本の柱の施策を具体化するため、年内に新しい政策パッケージを作成する」と述べ、地方創生については、「まち・ひと・しごと創生総合戦略の中間年を迎え、これから成果が問われてくる。ローカル・アベノミクスを強力に推進するとともに、地方における若者の就学・就業の促進などの取組を積極的に進める。また、地方が成長と分配の好循環をより実感できるよう取り組み、地方創生に向けた調整を情報面、人材面、財政面から支援していく」と強調したうえで「地方の活力なくして日本の活力なし。地方の未来を切り開いていくことなくして日本の未来はない。本日の意見をしっかり受け止め、施策を進めていく」と結びました。
 

【参考資料】
資料1 平成30年度予算編成等について(ポイント)(地方六団体提出資料)   
資料2 平成30年度予算編成等について(地方六団体提出資料)   
資料3 地方創生及び地方分権改革の推進について(内閣官房、内閣府提出資料)
資料4 地方創生、地方分権改革の推進について(ポイント)(地方六団体提出資料)   
資料5 地方創生、地方分権改革の推進について(地方六団体提出資料)  

全国町村会の活動状況
バックナンバー
平成29年度
平成28年度
平成27年度
平成26年度
平成25年度
平成24年度
平成23年度
平成22年度
平成21年度
平成20年度
平成19年度
平成18年度
平成17年度
平成16年度
平成15年度
平成14年度
平成13年度
平成12年度